2023年度

介護の力でその人が元気になっていく過程が楽しい

所属 社会福祉法人南相馬福祉会 細野絵美さん
社会福祉法人五彩会 佐藤航さん
社会福祉法人五彩会 吉田貴裕さん

お話してくれた介護職員
  • 細野絵美さん

    社会福祉法人南相馬福祉会
    介護職兼生活相談員

  • 佐藤航さん

    社会福祉法人五彩会
    ユニットリーダー

  • 吉田貴裕さん

    社会福祉法人五彩会
    生活相談員

介護の仕事を始めたきっかけは?

細野さん

介護の仕事を始めたきっかけは、おじいちゃんおばあちゃんが好きだったからです。私の姉が病気持ちで、幼少期におばあちゃんの家に預けられることが多くありました。学校を卒業して製造業に就き、やりがいはありましたが、直接お客さんの声や顔を見る機会はあまりありませんでした。次の仕事を探し始めた時、たまたま今の職場の求人を見付けて、おじいちゃん、おばあちゃんが好きだし「やってみよう!」と、介護の道に進みました。

佐藤さん

最初は介護の道に進むつもりはなく、理学療法士や作業療法士の道に進もうと思っていたのですが、最終的に介護福祉士の専門学校に進学し、そのまま介護の仕事に就きました。
母親が介護の仕事をしていて、色々な話を聞いたり、介護施設の夏祭りのボランティアで参加したりして、介護や福祉が自分の生活の中で身近なところにあったこともあり、影響を受けたのだと思います。

吉田さん

母親が介護の仕事をしていて、小学生の時に「親の職業を教えてもらいましょう!」という学習の時間で、母親の職場に行って介護に触れる機会があり、その頃から漠然と介護の仕事に進もうと思いました。地元の大学で社会福祉士の勉強をして、働きながら介護福祉士の資格もとって今楽しく介護の仕事をやっています。

介護職のやりがい・魅力は?

吉田さん

私が介護の仕事をして一番素晴らしいなと、やりがいを感じるのは人生の最期を支えられることです。一人一人どのように老いて、死んでいくのか。例えば楽しくみんなに囲まれて最期を迎えたい方もいれば、ひっそりと迎えたい方など、その人らしい最期の時間へと向かっていくときに、赤の他人ですがその方の人生の物語の最終章に関われるのが介護の仕事です。ご利用者やご家族から「あなたがいてよかった。ありがとう。」という言葉で全て報われる気持ちになり、この仕事をやっていて良かったなと感じます。

佐藤さん

3年前にSさんという寝たきりのおばあちゃんが入所されました。1日中ベットに寝て、天井を見上げる生活で、私がお声掛けしても全く反応がなく、笑顔を見せることもありませんでした。食事もベットの上、入浴も難しくて清拭をするだけ、排泄もベットの上と、生活が全てベットの上でする状態でした。

「本当にこのままでいいのか?」と思い、どうにかしてSさんをベッドから起き上がれるようにしよう、自分達が当たり前に送っている生活を少しでも実現させてあげようとみんなで考えました。無理がない範囲で少しずつ起き上がってもらい、排泄もトイレでできるようにとサポートした結果、2、3ヶ月後には普通に車椅子に座れるようになりました。支援を始めた当初は車椅子に座っている時間も苦痛だったようですが、今はソファに座ってくつろぎながら生活をし、普通にお風呂に入って「気持ちいい〜」っておっしゃって、笑顔も見られるようになりました。今では元気になり過ぎて、最近スタッフとけんかしたりしているくらいです(笑)

高齢者の中にはだんだんと動けなくなったり、認知症になったりして人生を諦めている人も多いと思いますが、介護の力で、できるだけその人が望む生活をお手伝いしたり、思いを叶えていったり、その人が元気になっていく過程を一緒に楽しむことができるのです。その人が少しずつ元気になることで輝やいていくんですよ。そうやってお手伝いしていくことで自分達も輝けることが介護のやりがいだと思います。

細野さん

ご利用者の笑顔とか笑い声を聞いた時にやりがいを感じます。私たちが当たり前にやっていることがお年寄りには難しいこともある。かがんで靴を履くとか、ささいなことでもお手伝いさせてもらうと、ご利用者から「ありがとう」って言葉をもらえるんです。

物取られ妄想の方とか、ご家族の中で孤立している方がデイサービスにいらっしゃることもありますが、ご利用者の状態を良くするのも悪くするのも、介護次第だと思っています。以前、経管栄養で口から食べることができないご利用者が、口から食べられるようになったこともあります。我々介護職だけでなく、栄養士や医師など他職種と連携しながらご利用者を支えることで状態を良くすることができます。自分達の介護でご利用者の状態が良くなった時、良かったなと思います。

今後の目標

細野さん

デイサービスの帰りにご利用者が「今日楽しかったよ〜」とか「また来るね」と、笑顔で帰ってもらえるように努力をしていきたいです。

佐藤さん

実際に現場に戻ると、なかなかその人の思いを叶えられていないことも多いので、一人一人の想いや願いの実現に着手していけたらいいなと思います。そして、若い人に介護の魅力を発信していきたいです。

吉田さん

私は介護・福祉の魅力に気付いてしまったので、それをしっかり言葉にして若い世代に伝えていきたいです。介護・福祉の仕事の価値を高めて、みんながワクワクした気持ちでこの業界に飛び込んできてもらえるような発信者になっていきたいと思います。